小規模なものが次のトレンド:「グーグル的思考」

今年(2009)に入ってGoogleをとりあげた書籍がいろいろ目に付くようになっているわけです。

まあ,Googleのサービスはパソコン使っているユーザーなら,まず普通に検索で使うだろうし,Google MapなんかもiPhoneや携帯電話から使えちゃったり,YouTubeで(Googleのサービスとは知らずにかもしれないけど)ストリーミング動画を見たり。さらにちょっと詳しい人はGmailも使い始めてる。

ボクはといえば,2005年を境に主要メーラーはGmailになってしまったし,ニュース,乗り換え検索,天気,為替,写真,ムービー,言葉の意味を調べるのも,全部Googleの検索。iPhoneにスケジュールを入れるのもGoogle Calendarからだし, RSSリーダーもGoogle Reader。
これで終わりかと思えば,今度はスマートフォーンOS「Android OS」,ウェブブラウザ「Google Chrome」,次世代通信ツール「Google Wave」なんていうものまで出てきてます。

Androidベースのスマートフォーンは今年から来年にかけて,世界で20機種前後は出るという話もあり,ここでも大きな影響が見られるのは必須。で,そんなこんなもあって,先日のHT-03A(日本国内初のAndroid端末)入手に至るというわけです。

もともと新しいものが好きだって言うのもあるんでしょうけど,でも,ふと気がつけばGoogle尽くし。

いったい全体こんなにGoogleに依存しちゃっていいものかどうか気になる。

さらに,こうやって次から次へと革新的なサービスを出し続けるGoogleっていったいどんな企業なのかっていうのも気になる。

そんなこともありまして,Googleをテーマにした書籍はなるべくチェックしてるわけですが,ここ最近,4〜5冊読んだ中(Googleという以外は違うテーマですけど)で,どれか一冊最初にピックアップするとすれば「グーグル的思考」かなと。

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著者は,ニューヨークのシティ大学 Graduate School of Journalismのインタラクティブ・ジャーナリズム・プログラムで教授兼ディレクター職も勤めているBuzzMachine.comのJeff Jarvis氏。

Googleのサービスの浸透率は,日本でも徐々に高くなってきているけど,英語圏のそれには及ばないことは間違いないし,Googleのサービスによって世の中の価値基準が変わっていく様子を皮膚感覚で感じているのは英語圏(特に北米)のユーザーだと思うんですよね。
なので,その英語圏のネットユーザーの生の声を,書籍というまとまった形で読みたかった。
それも新聞や雑誌など既存のメディアの有名人というよりも,ネット上でアクティブに活動している,よりユーザーに近いライターの人の意見が知りたかった。

この本は2009年6/1発行で,Googleだけでなく,それをとりまくTwitter,Facebook,Digg,その他のオンラインサービスの話もそこここに載っているので,2009年5〜6月の時点で英語圏のユーザーがどういうサービスを,どこが面白くて使っているのかということも垣間見れるのもいいところ。既に自分が使っているサービスを著者がどんな風にとらえているのかを知るのも面白いし,知らないサービスがあったら,それはそれで新しい発見になるはず。

本の中身をざっくり紹介すると,1章「統治するグーグル」では,Googleがもたらした”新しい関係性”,”新しい構造”,”新しい公共性”,”新しい社会”,”新しい経済”,”新しいビジネスの現実”,”新しい心構え”を考察し,2章から「グーグルが世界を支配したら」という仮定でメディア,広告,小売業,公益事業,製造業,サービス,金融などの業界の変化を予測してます。

まあ,筆者によるGoogleの法則分析による予測がどの程度正しいかというのは今の所は検証する術もないし,これはちょっと違うかもなーと思うところもあるんだけど,マスマーケットの縮小,ニッチ市場の拡大は確実だろうし,それをベースにした一つの見方として貴重な書籍であることは確か。

あらゆる業界に存在する主要企業も時代に対応しようとはするだろうけど,業界標準技術を過大なコストをかけて構築して,それを守り通して利益を上げるような旧来のビジネスモデルは,おそかれはやかれ縮小していく可能性はかなり高いというのも,なんとなく感じてはいたけれど,それを再確認した一冊でした。

これから主要になると思われる大規模ニッチの方向性を理解したい人には助けになるかと思います。

M.Hirose

A.K.A author of palmfan.com

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