モバイルGTDで生産力向上を目指す〜OmniFocus for iPhone/iPod touch


iPhoneを買う理由の一つになっていた「OmniFocus for iPhone/iPod touch」。もちろん試しましたヨ。

結論は,iPhone+OmniFocus Mac版ユーザー+MobileMe環境の場合,かなりの”買い推奨”です。
でも,スタンドアローンでの使用が前提だと,2,300円はちょっと割高に感じるかも?です。

iPhone/iPod touch版の話しに行く前にMac OS X版の説明を軽く。

Mac OS X版の「OmniFocus」は,「PalmでGTD活用するソフトウェア」で紹介したとおり,”Getting Things Done”(GTD)をベースにしたタスク(To Do)管理ソフト。
タスク項目をプロジェクトごとに分けられたり,コンテキストに切り替えて表示したり,Mac OS Xのメニューバーに未処理数を表示したりが出来ます。
操作感は同社のOmniOutlinerに似たもので,何も考えずにどんどん入力していったタスクを,後でドラッグして振り分けたり出来るので,操作系のストレスも少なくて使いやすい。Mac OS X標準のiCalにもTo Doはあるけど,その使い心地とそれによって得られる生産力の違いはかなり大きいものです。
iPhoneバージョンとの同期にはバージョン1.1が必要で,現在はアルファ版が毎日のように更新されている状態。価格は79.95ドル。

で,「OmniFocus for iPhone/iPod touch」は,そのiPhone/iPod touch版となります。

基本機能として,タスクを作成管理,テキスト/写真/ボイスレコーディングでの項目作成などが行え,Appのアイコン上には未処理タスク数が表示される。また,GPSを生かした”場所によるタスク表示”機能も備えています。
ボクが魅力を感じている,このアプリケーションの特徴と大きなアピールポイントはMac側のOmniFocusのデータとMobileMeを介して,自動的に同期してくれること。

MobileMeのプッシュ機能の便利さは他のトピックでも書いたけど,物理的に同期したかしないかを意識せずに,タスクの進行状況を自宅のMacとiPhoneで同期させておけるというのはとても快適。
Mac側で入力して振り分けたタスクは作り終わるとiPhone側に読み込まれていて,さらにそれを外出先で完了チェック処理をすれば,帰ったときにはMac側も同様の処理が行われてる。これはアナログのPIM環境ではありえないし,アナログ+デジタルの環境でも同様。ていうか,全部デジタル化してもiPhone以外ではちょっと実現が難しいだろうなとも思います。

今までのモバイルデバイスはPalm OSだろうがWindows MobileだろうがiPodであろうが,とにかくデータを持ち出したいのなら,物理的にパソコンと接続して,同期処理を行わなくてはいけなかったわけです。
これがボタン一発で出来るようにしたPalm OSのHotSync機能の登場は,当時,かなりのエポックメイキングな出来事だったし,今でも大きな特徴の一つ。これが4〜5年前にはWiFiやBluetoothで,ワイアレスに同期が出来るようになったわけですけど,それにしてもパソコンの近くに行かなくてはいけなかったし,HotSyncボタンを押さないと同期開始にはならないし,それなりにうまくいったりいかなかったり,環境によっては設定の難しさもありました。

iPhone+OmniFocus+MobileMeの組み合わせの場合,それぞれのアプリケーションとMobileMeの環境設定パネルでの設定が完了すれば,あとは最新データを自動的にプッシュ更新してくれます。iPhone側では設定により,手動で読みにいく必要がある場合もありますが,トータルで考えると,Omniシリーズの使いやすさとプッシュ更新で,タスク管理作業の手間とストレスはかなり解消された気がします。Mac側で思いつく限りのタスクを書き出していって,それを移動中に振り分けしたり,GPS機能を生かして,特定の場所でのタスクを設定したりとかも可能。

ただし,問題もなきにしもあらず。

1)iPhone版で完了チェックボックスにチェックが入れづらい。
タップするエリアが小さいような気がします。慣れないとチェックしたくても詳細画面に映ったりします。

2)トータルコスト
iPhone自体のコストはおいとくとして,これにOmniFocusのMac版,iPhone版,MobileMeが必要。トータルでは軽く2万オーバー…。
でも,これは考え方だと思います。タスクだけのために,と考えると高い。なので,MobileMeは他のスケジュール,アドレスブックのプッシュも出来るオンラインサービスとして考える。
これで残りは1万円強。
この1万円は,複雑に絡み合った仕事やライフワークのタスク処理のストレスを少しでも減少させて,より生産効率を上げるためのコストと考えるとそれほど大きな出費ではないのではないかと。あー,あれもやらなきゃコレもやらなきゃ,えーとアレはなんだっけ?なんだよ,ソレって今日でしたか?的なストレスから解放されて,より生産的な時間を作り出すためのコスト。どうですか?

いずれにせよ,iPhoneでのタスク管理に関しては,Apple純正のソフトでは用意されていない状態。Mac側のiCalでは扱えるようになってるので,いずれ生かされるかもしれませんけど,今のところはサードパーティ製に頼るしかない。App Storeにはいくつかのタスク(To Do)アプリケーションがあるので,それを試してみるのも一考です。

M.Hirose

A.K.A author of palmfan.com

4 Responses

  1. 匿名 より:

    このあたり、勝手にSyncされてるのがいいか、Syncはオレの指定した時だけやれ、てのがいいか、難しいところです。MobileMeでSync出来る項目に、この種のランキングが出来るともっといいのかも。

    あと、関係ないですが医療制度について、キューバでは確かに医療費が激安な反面、日用品は非常に高額です。病院1日の入院費よりビスケット1パックの方が高価だったかな。日本は何でもアメリカに習えをしてる訳ではなく、テレビのデジタル化のような既得権益を守る為には平気で自前の規格にしてるように、都合の良い所だけその理屈を持ち出している点にも常に留意しておきたいです。

  2. M.Hirose より:

    Shimizu さん>
    用途にもよるかもですが,ちょっと感動しますよ,コレ。

    医療関係はフランスがいいなあ。
    前に仲が良かったフランス人の友達も何人かいたんですけど,どの人も独特のエンジョイ感があって,今にして考えると社会システムによる影響が大なのかもとも思いました。って,このネタは他のサイトのアレなので,ひとまずこんな感じで。:-)

  3. dannielo より:

    For implementing GTD you might try out this new web-based application:

    http://www.gtdagenda.com

    You can use it to manage your goals, projects and tasks, set next actions and contexts, use checklists, schedules and a calendar.
    A mobile version and iCal are available too.

    Hope you like it.

  4. M.Hirose より:

    dannielo>
    Thanks for your comment and useful GTD site.very interesting.
    I'm gonna try to use it.

    also, SlimTimer is convenient for me.
    It calculate total time of each tasks.

    http://slimtimer.com/

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