「Kindle for Tablet Computers」に感じたAmazonのしたたかさ
英語圏のデジタル・ブック・コンテンツ市場でかなりのシェアを占めているはずのAmazon Kindle。
今度は「Kindle for Tablet Computers」をアナウンスしてます。
その横には「including the iPad」の文字。
これを見て,Steve Jobsも強か(したたか)だけど,もしかしたらAmazonはその上をいってるかも,と思いました。
つまり,要するに(以下想像です),Amazon側は:
・カラーの革新的マルチタッチ・デバイス(=批評家が多くて,ややこしいガジェット)はAppleにお任せ。
・うちの Kindleはモノクロだけど,紙媒体に一番近い視認性の電子ペーパーデバイス。むしろ,見やすさでは上。電源切っても表示可能。バッテリー保つよ。
・仮にiPadが売れたとしても,既にあるKindleコンテンツが売れるのでOK。
・Kindleコンテンツは450,000タイトルで,これから立ち上げるiPadのコンテンツ数とは桁が違う。
・Kindleコンテンツは,既にMac,PC,iPhone,BlackBerryを含むデバイス間で同期出来る。
まとめていうと,
iPadは売れても売れなくても良いや。どっちにしろ,コンテンツが売れるのはうちだからさ。
ってことじゃないかなと。
まあ,それが正解かどうかは別にして,初期出荷で20〜30万台のiPadが売れて,当初の間,コンテンツ販売で一番儲かるのってAmazonじゃないの?って思いました。
で,しばらくして,電子ペーパーのエコ・フレンドリーな特徴が再度注目を浴びて,Kindleの販売が盛り返していくという可能性も少なくない。そのタイミングでちょっと価格改定とかしたら,また勢いつきそうな気もする。こりゃ目が離せません。
…そして,かたや日本では「電子書籍の規格統一へ政府が意欲、出版業界の代表らを集めて懇談会を開催」という動きがあるわけですけど,これがまた「何でそーなるの!?」的な方向でガックシ。
この世界的なムーブメントをうまく取り入れて業界が盛り上がる方向を見つける方が自然で効果的だと思うんですけどねい。日本だけ独自路線とか,国による保護政策とかが出てこないことを祈るばかり。
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